New Jacket & Hat 02
New Classicを体現する ジャケットとハット
テーラードジャケットというカッチリとしたアイテムに、シュールなグラフィックを施して成立させるのはアンダーカバーだからこそ成せる技。太めのラペルや大ぶりのボタンが、より一層遊び心をくすぐらせてくれる。ダブルのジャケットを良い意味で軽く見せるようアップデートした実験的な一着だ。
「テーラードを美しいままにストリートでという概念を基とした、クラシックでモダンな男性服」という、まさにNew Classicなコンセプトを掲げるリトルビッグ。テーラードジャケットは同ブランドを代表するアイテムとして高評価を受けている。ハードルが高いと思われがちなダブルのジャケットだからこそ、紫色の下地と赤のストライプという先鋭的な配色で突き抜けるのも斬新だ。
型の決まった服の長所や短所を捉え、その伝統を活かしつつ現代らしさを加えた服づくりを行うエムエーエスユー。クラシックなジャケットには定番のチェック柄だが、白地をベースにしつつもカラフルなチェックの配色を施すという若々しいアプローチが新鮮だ。ボタンは星形にするというアイディアも面白く、若者にこそ羽織ってもらいたいジャケットに仕上がっている。
形式に捉われることなく、こだわりのデザインや素材選びでタイムレスな服づくりを行うナヌーシュカ。このジャケットはヴィーガンレザーを用いており、緻密な計算に裏付けされたテーラリング技術によってシルエットの美しさを生み出している。そこにウェストロープをつけることで、さらにリラックスした上品な印象も感じられる。ラフな気持ちでレザージャケットを楽しめる嬉しい一着だ。
日本のビスポークハットブランド、ノゾミクロカワ。希少な素材を使って生み出される一点もののハットは、こだわりをとことん詰めてオーダーし、生涯を共にしたい。今回のアイテムは王道の中折れのハットとは違い、クラウンの形を崩したマウンテンタイプのフォルムが印象的。クラシックな雰囲気は残しつつも、遊びや外しとして重宝できる。
デザイナーの日爪ノブキは、日本人として初めて帽子職人分野におけるフランス国家最優秀職人章(M.O.F.)にも認定され、数々のメゾンのパリコレクション用の帽子を手掛けてきた。彼が生み出すヒヅメのハットは、ただのファッションアイテムに終わらず、モダンアートのようだとも評価されている。鮮やかな真紅のポーラハットは、ブリムの絶妙な反り具合にこだわりと技が詰まっている。
今まで見たこともないようなシルエットが特徴的なビズビムのハット。同ブランドと言えばのフランス製ベジタブルタンニングラムレザーを使用し、サイズやシワ、質感や色味に個体差をあえて生み出して展開している。アイコニックな形のハットだからこそ、かっちりとしたテーラードジャケットを合わせて遊びある違和感を生み出すのも良いだろう。
アウトドアフィールドのみならず、街でも楽しめるアイテム展開を行うサウスツーウエストエイト。粗めのメッシュで作られたこのチューリップハットは、オリジナルのツリーカモとスカルターゲット柄のリバーシブル仕様で遊びが効いている。釣りをテーマにしたアウトドアブランドのハットは、あえてテーラードジャケットに合わせて抜け感を楽しみたい。
日本が世界に誇るハットブランド、キジマタカユキ。実にさまざまなブランドの帽子制作に携わり、衰えることのないクリエイション力はますます評価されている。ストローハットでありながら、ティファニーブルーのように鮮やかな発色を持つこれらのアイテムは、テーラードジャケットと合わせることでより一層輝きを増して街でも注目を浴びるだろう。
Photo Taijun Hiramoto | Text Yutaro Okamoto |