the undiscovered potential GOLDWIN × SPIBER
ブリュード・プロテイン™ が変えていくこれからの未来
未知の新素材“ブリュード・プロテイン™️素材”
人工的に作られたタンパク質がカシミヤやシルク、コットンなどさまざまな素材の代替となることなど誰が想像できただろうか。ゴールドウイン社がバイオベンチャー企業スパイバーと共同開発した新素材“ブリュード・プロテイン™️素材”は、そんな未知の可能性を秘めている。ブリュード・プロテイン™️素材は我々人間の皮膚や髪の毛の素にもなる“タンパク質”から生み出されるため、資源として循環性が高く、石油由来の化学繊維が抱える問題の多くを改善すると期待されている。そんなブリュード・プロテイン™️素材を用いた最先端のアイテムがゴールドウイン社を代表する4つのブランド(ザ・ノース・フェイス、ゴールドウイン、ナナミカ、ウールリッチ)より9月に世界同時ローンチされる。これはゴールドウイン社としてだけでなく、繊維産業やアパレル産業にとっての新たな時代の幕開けを意味する。ブリュード・プロテイン™️素材の事業に当初から関わるゴールドウイン(開発本部)の新井元に、その価値と可能性について話を聞いた。
「スパイバーと出会ったのは8年ほど前のことです。『環境問題を改善する』『エネルギーを循環させる』という大きな軸で共鳴し、開発パートナーとして夢を共に追い求め始めました。未知なる新しい材料を作り、繊維を作り、服を作る。ブリュード・プロテイン™️素材を材料にしたこのメカニズムは、誰もが知る資源や環境の問題を根本的に変えていくアイディアに富んでいます。合成繊維として1941年に発明されたポリエステルがアパレル産業で大きな役割を果たしたような革新的存在でありつつ、循環という切り口では全く新しい課題解決方法を担う可能性をブリュード・プロテイン™️素材は秘めています。高級獣毛であるカシミヤに似た繊維をブリュード・プロテイン™️素材で作る場合には、温室効果ガスの排出量の大幅な縮小や、土地や水の使用量を削減することも期待されます。石油由来製品の問題の一つとして挙げられるマイクロプラスティックの排出がありますが、ブリュード・プロテイン™️素材は有機的なタンパク質のため生分解性があり循環性が非常に高い。石油由来の化学繊維と比較しつつも、全く新しいプロセスです。
スパイバーの役割は素材となるブリュード・プロテイン™️素材を作ることであり、それを原料として服にしていくまでがゴールドウイン社の役割となっています。ただブリュード・プロテイン™️素材に関しては、服作りにおけるもっと川上の作業である糸作りからゴールドウイン社は取り組んでいます。今まで全く経験のない未知の素材開発のため、糸にする段階から生地にするまで様々なプロセスにおいて充分なサポートが必要な状況であり、お客様に着用いただく耐久性にも充分な配慮が必要です。だからこそすべての工程に関わりながら製品化につなげたいという思いがあるのです。その流れを組んでいけるのはゴールドウイン社にしかないと自負しています。そのような取り組みを重視するのは、環境への問題改善に向けたアプローチをする会社としての責務だと思っているからです。 弊社が率先して動くことでこそ、ほかのアパレルメーカーもブリュード・プロテイン™️素材を取り入れられるような土壌が整備され、この新たな素材が広がっていくことが可能になるのではないかと期待しています。いまがまさに重要な一歩を踏み出すときになります。やっとスタートラインに立ったといったところです。前例がないことをしていますから、この状況にたどり着くまでに非常に時間がかかりました。ブリュード・プロテイン™️素材を用いて循環性の高いものづくりと環境改善を目指していきます。今回のアイテムにはそのような意義が込められているのです」。
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Photo Dai Yamashiro Styling Shohei Kashima | Hair hirokazu endo Make-up Dash | Edit Yutaro Okamoto Rikako Goto |