things that curious in Okinawa Vol.2
日常を刺激する 沖縄でしか手にできない品
琉球王朝や戦後のアメリカ文化の流入、そして温暖な気候やゆったりと流れる時間までもが影響し、独自の文化圏を形成している沖縄。伝統工芸品からマーチャンダイズに至るまで沖縄でしか手に入れることができないプロダクトを紹介する。個性溢れる沖縄文化が反映された品々は、普段の生活をさらに豊かに彩ってくるはずだ。
国際通りに1968年から店を構える久髙民藝店では長きにわたる審美眼により厳選された沖縄県内外の民藝品が所狭しと並べられている。沖縄の伝統工芸品、やちむんの名手として知られる松田共司が手がけるこの皿はやちむん特有のぽってりとした厚い形状と力強い絵付け、尺一寸(約33cm)というサイズも相まって思わず引き込まれる魅力を有している。皿として使うのはもちろんだが、部屋に飾り、旅の思い出に浸るのもまた良い。
名護市北部にある自然豊かなやんばるの森の中で、オーガニックな養蜂を行っている「おきなわ BeeHappy」。そこで作られるはちみつは、センダングサとイジュの花の蜜をベースにやんばるの恵をぎゅっと濃縮した華やかな味わい。黒糖の甘さに似た濃厚な仕上がりでありながら、重たくならず口の中でそっと溶けてゆく感覚が癖になる。オンラインショップの他、首里で沖縄食材を用いた料理と珈琲を提供する「conte」で手に取ることができる。
沖縄の海を連想させる優しく鮮やかなブルーが目を引くこの暖簾は沖縄の伝統工芸品みんさー織によって作られている。みんさー織の特徴である5つと4つのマス目柄には「いつ(5つ)の世(4つ)までも幸せに」という意味が込められており、17~18世紀頃に麻とともにインドから伝来して以来、沖縄の人々に長く愛されている。麻特有のさらっとした生地感は色味と相まって清涼感を感じさせてくれる1品。蒸し暑い本島の夏もこれを玄関にかけてドアを開ければいつもより涼しく過ごせるかもしれない。
Yonaha Mingu
D&DEPARTMENTはロングライフデザインをテーマにその地域に根ざしたコミュニティショップを全国に展開している。クバ扇もそんなロングライフデザインを象徴するアイテムのひとつ。全国的にはビロウとも呼ばれる与那国島のクバを一枚一枚乾燥させて作られるこのうちわは軽く、あおぎやすく、気温の高い沖縄で長く愛されている。沖縄を訪れた際はぜひこの団扇で涼を取りつつ、旅が終わった後はその思い出とともに部屋に飾るのが良いだろう。
Kaneshiro Tatami Industry
ビーグとは沖縄方言でい草を意味し、琉球畳の原料としても知られている。原材料のビーグの栽培から織りまで全てを自社で手がけているうるま市に本社を構える兼城畳産業のゴザは、大人一人が寝転がっても広々使える大盤サイズが昼寝にもちょうど良い。月日が経つごとに風合いを増していくゴザは長く使っていきたいもの。フローリングが一般化した現代では畳で寝る経験も少ないかもしれない。ぜひこのゴザを使い、い草特有の落ち着く香りと心地よい肌触りに包まれる畳での昼寝を疑似体験してみてはいかがだろうか。
atelier café bar Seihei
ジンジャーをベースに柑橘類や月桃、ハイビスカス、レモングラスなど沖縄ならではのハーブとフルーツをブレンドした、今帰仁に工房を構える「atelier café bar 誠平」のコーディアル。紅茶や炭酸水などのドリンクで割って飲んだり、ヨーグルトにかけたりして味わうシロップは、その濃厚でスパイシーな香りに魅了される。旬の果実を使用しているため、季節ごとに風味が変化するのも素材を活かしたものづくりだからこその楽しみ方。
Photo Yoshiyuki Onga Makoto Nakasone Yu Zakimi | Edit Katsuya Kondo Aya Sato |