traditional stamp C.P. COMPANY
歴史のあるスタンプ工場による ユニークな柄と味わい深い色彩
毎シーズン色にこだわりをもつC.P. COMPANYだが、今季のコレクションの中でも特に異質なアイテムがあった。それが今回の特集のモデルカットで撮影したクラシカルな植物柄にクラフト感のある滲みが表れたプリントアイテム。すべてイタリアの伝統的な職人技によるものだった。柄を作ったのは、1633年にイタリア中北部の都市リミニで創業したプリント工場、スタンペリア・マルキ。ここでは今でもすべて手作業によって彫られた木版にインクをつけ、木槌で叩き、熟練の技術によって柄を配していく。ここには古いもので17世紀からのアンティークの木版が数多く用意されているが、「今回は伝統的な蔓の葉のデザインとハワイアンシャツに見られるハイビスカスのようなモチーフの中間になるような柄を選んだ」とC.P. COMPANYのヘッドデザイナーであるポール・ハーヴェイは話す。マルキを象徴するのが備え付けられた大きな車輪“マンガノ(写真上中央)”だ。これもこの工場と同じく1633年に作られたもので、巨大なプレス機である。車輪の動力によって巨大な岩が持ち上げられ、その岩の重みによって手織りのリネン生地をアイロンをかけるようにプレスする。これによって、生地が平らになりプリントがしやすくなるだけでなくリネンに含まれる油分が放出されて滑らかで光沢が生まれるという。「私たちC.P. COMPANYのチームは、本物のものづくりに対して常に興味を持ち続けています。スタンペリア・マルキは手作りでここにしかない柄を生み出すユニークな工場です。ここの魅力は、古くからの伝統的なデザインに心の安らぎを感じることのできるところ。リネンの品質は高く、ハンドメイドのプリントはユニークなだけではなく決して色褪せることがありません(ポール)」。スタンペリア・マルキのもう1つの特徴は、創業時から続く伝統的なレシピによって自然由来の原料で作られる染料。ポールが言うように洗えば洗うほど、味わい深くなっていく特徴があるという。今季を象徴する特別なアイテム、そこにはイタリアのクラフツマンシップや自然、歴史の豊かさが詰まっていた。
Tristate Japan
cpcompany.com
Photo Asato Iida | Model Tomo | Edit Takayasu Yamada Yutaro Okamoto |