Editor's Eye Baccarat Glass

ファッションアイテムや、カルチャーに関連したプロダクトなど、Silverのエディターが今気になるモノを紹介する連載企画「Editor’s Eye」。

「バカラのシンプルなグラスでお水を飲む」。このフレーズにファッションの本質を問いかけられたのは20代の半ばくらいだった。出会いはスタイリストでアーツ&サイエンスを主宰されるソニア・パークさんの名著『ソニアのショッピングマニュアル』だ。この有名な本の中でバカラのグラスが紹介されていた。伝統と歴史に裏付けられた職人のハンドメイドによる美しいグラスで毎日お水を飲む。それはそれはとても贅沢な日常で、お水が高級なお酒と同じ価値になるような感覚を覚えた。左のグラスは1841年から展開される伝統のモデル、アルクール。そしてバカラが昨年ヴァージルとコラボレーションしたのが、右のグラス。ファーストフードのドリンクを思わせるデザインは彼なりの日常とラグジュアリーの共存。そう、バカラはラフにカジュアルに日常で使ってこそ価値のあるグラスだと思う。毎日本物に触れる、本物と暮らす。そんな特別な価値をバカラのグラスは与えてくれる。