Kazuki Nagayama × Go Koyama Art Exhibition “Mokusha”

新たな芸術体験空間 「写場」 こけら落としは「木工と写真」

東京・神楽坂に新しいギャラリーがオープンする。神楽坂というと、かねてより製本や印刷工場が多いエリア。7/22にオープンする“写場”は、この地を拠点とする望月製本所がオーナーのもと、写真家の長山一樹がディレクターとなり、クリエイティブディレクターに清水恵介、美術印刷を得意とするサンエムカラーの篠澤篤史らがプロジェクトに参加し、共同でキュレーションをしていくギャラリーだ。


このギャラリー 写場について長山はこう話す。「写場は、製本と印刷を通じて写真を中心としたクリエイターの新しい発信場になります。インターネットやSNSでも作品を見ることのできる時代に、ギャラリーを作る意味として、質や体験によるコミュニケーションに飢えている人たちに意味のある場所にしたいと考えています」。

そんな写場のこけら落としとして、木工作家 小山剛と長山による展示“Mokusha”が開催される。本展では、長山が8×10の大判フィルムカメラで小山の木工作品を撮影したプリントと今回のために小山が新しく製作した作品を展示。
木という素材を平面(写真)と立体(オブジェクト)から観ることで、普段我々が見ているような小さなスマートフォンの画面では味わうことのできない質量を視覚と触覚で体感することのできる展示内容となっている。

「小山さんの作品には、手の痕跡を感じられる質感があります。“綺麗”というよりも“素朴で美しい”という表現がしっくりきます。今回、僕は小山さんの倉庫を訪ねたのですが、そこに眠っていた木材を隅から見て、ピンときたものを選び撮影をしました。小山さんの作品の撮影を通して、改めて感じたことがあります。僕は普段、人を撮ることが多いのですが、人を撮るのも、物を撮るのもそこまで意識の差はない。人と静物という隔てではなく、写真は、意思(作為的)かドキュメント(反射的)かによって見方が変わるということを改めて感じました。また、このプロジェクトで最初にテスト撮影をしてプリントをした時に目で見えていた以上の物を写真は捉えていると感じました。目で見ようとしないものが写真では見えてくるのです。8×10の大判フィルムという最大の解像度で、無駄打ちのできない緊張感を持って、木材の質感をまず自分で見てみたかったのです」。

スマートフォンの平面的な画面では到底感じ取れない空気感や立体的な体験を、本展では感じ取ることができるだろう。期間中、ぜひ足を運んでみてほしい。

Kazuki Nagayama, Go Koyama “Mokusha”
開催期間:2023年 7月22日(土) – 8月20日(日)
場所:写場 (東京都新宿区築地町8 ワタナベビル1階
時間:13:00-19:00
定休日:月、火

@shaba_gallery
@kazuki_nagayama
@go_koyama

Photo Kazuki Nagayama Text Jo Kasahara

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