HERMÈS Beret, Necklace

ファッションアイテムや、カルチャーに関連したプロダクトなど、Silverのエディターが今気になるモノを紹介する連載企画「Editor’s Eye」。

エルメスの一番の魅力は、長い歴史によって育まれたクラフトマンシップが生む上質なプロダクトにある。その技術があるからこそ、ほかのブランドでは実現できないような独創性のあるアイテムを毎シーズン生み出しているところに自分は惹かれ続けている。今シーズンは海をテーマにしているという。プレタポルテから小物まで海の要素がデザインに落とし込まれたものが多く、海好きな自分としては高揚を隠せないシーズンとなっているのだが、特に惹かれたのがこの2点。ツバなしのベレーは、元々は船乗りが愛用するフィッシャーマンキャップと呼ばれる形状。繊細なステッチワークやスナップボタンのさりげない主張にメゾンらしい品性のある遊び心を感じる。ネックレスはチタン製。硬度が高く、加工が難しいチタンを繊細なフォルムにしているところに職人技を感じる。留め具の部分は、両端に小さな切れ目が付けられており、知恵の輪の要領で着脱ができるという仕様。これによってクラスプのない一連で完成された美しさに繋がっている。ネックレスは日本では発売が未定のようだが、海外に行った際に手に入れたいものだ。