Editor’s Eye IDEA BOOK MOUTH FULL OF GOLDS

ファッションアイテムや、カルチャーに関連したプロダクトなど、Silverのエディターが今気になるモノを紹介する連載企画「Editor’s Eye」。

ゴールドをベースに、ダイヤモンドやパールで歯に装飾を施すストリートカルチャーを代表するジュエリー、グリルズ。日本でもファッションアイテムとしても認められ久しいが、そんなグリルズの祖と言われるエディ・プレインの軌跡をまとめたのがこの作品集だ。序文をラッパーであるエイサップ・ファーグが手掛け、NIGO®️、タイラー・ザ・クリエイターからマーク・ジェイコブスまでが登場する本書を見ると、彼の功績とグリルズの社会的評価の変化が見てとれる。本作の面白いところはアトランタの一角から始まった小さなお店がストリートにどのように浸透し、カルチャーの一つとなり、ファッションにどんな影響を与えたのかが一冊にまとめられていることだ。ゲトー感溢れる80年代のフィルム写真から始まり、i-Dの表紙を飾るまでのストーリーはストリートの価値の変遷でもある。ストリートブランドとハイブランドのコラボが次々に発表される現代において、この作品集はストリートとファッションをつなぐ一つの参考書のようにも感じられた。