定期的に毎日更新されるブログもおもしろく、新たに収集したレコードに関する音楽談もこの店のユニークさだ。「ディスクユニオンなどで数百円で買ったレコードをただ流しているだけなので、大した作業なんてしていないですよ。1人でお店の全てをしていますから、曲選びに頭をそこまで使っていられない。脳の10%ぐらいしか使えないから、体で反応するままに曲を選んでいます。ただ適当であったとしても、最低にはならないようには気をつけています」。そう言いながら流し始めたのは、笠井紀美子の[Tell Me A Bedtime Story]。70年代の日本ジャズシーンで名声を博した歌姫こと笠井紀美子が、ファンクに傾倒していた時期のハービー・ハンコックと共演した名盤だ。その選曲だけで気分が一気に盛り上がってくる。
店内の壁一面を覆うようにレコードが並んでいる。ディスクユニオンでレコードを買うことが日課で、開封を待つレコードも少なくない。クラブカルチャーのルーツとなった曲がメインでありつつ、新譜のチェックも絶やさない。「今の空気、今のシーンを感じたいので、勉強のためにも新譜を買っています。最近買うのはほとんどが新譜です」。最近のお気に入りと言って教えてくれたのは、45trioの『A Little Spice』。Loose Endsが1984年に発表したナンバーを45trioがハウスやヒップホップの断片を散りばめジャジーにアップデートしたものだ。
Left 取り揃えるお酒の種類の多さも魅力だ。ラムやクラフトジン、メスカル、プレミアムテキーラ、ウイスキーなど300種類以上のお酒が常時あり、新たなお酒も日々入荷している。「レコード同様に新たなお酒が毎日リリースされており、自分が飲んでみたいと思うものを並べています。まずは自分が興味を持つかどうかですよね。ビールしか全く飲まないお客さんが来たとしても、いろいろな選択肢を提示することが店の役割だと思います」。
Right NYヒップホップを代表するNASもを訪れ、2023年にリリースしたアルバム『Magic 3』に収録した『Japanese Soul Bar』はを題材にした楽曲というのはヒップホップのファンにはよく知られる。
AUDIO DATA
MAIN SPEAKER : Bose 301AVM
TURNTABLE : Technics SL-1200MK3D
AMPLIFIER : Accuphase P370
ESSENTIAL MUSIC
LITTLE SOUL CAFEを象徴する10曲
01 Sylvia Striplin [ Searchin’ ]
02 Gary Bartz [ Music Is My Sanctuary ]
03 Leon Ware [ Why I Came To California ]
04 Weldon Irvine [I Love You]
05 Sergio Mendes And The New Brasil ’77 [The Real Thing]
06 Donald Fagen [The Nightfly]
07 Isao Suzuki Sextet [Feel Like Makin’ Love]
08 Kimiko Kasai With Herbie Hancock [Tell Me A Bedtime Story]
09 Ohio Players [Sweet Sticky Thing]
10 Curtis Mayfield [Tripping Out]