Why Choose Leather Shoes? Interview with Motofumi "Poggy" Kogi
スポーツカーのように 地面から伝わる感覚を楽しむ

PLACE: TOKYO
イギリスの国花であるイングリッシュローズのデザインが施されている背景について教えてくれた。「クリエイティブディレクターのサンドラと、ジミー チュウが生まれた英国の良さを改めて見つめ、クリエイションに活かそうというディスカッションをしたんです。先日フィレンツェの工場を訪れ、職人たちの手仕事を目の当たりにして、よりこのブランドの魅力を感じました」。
持っているレザーシューズは、なんと約50足というファッションキュレーターの小木“Poggy”基史。そんな彼にレザーシューズの魅力について聞くと“音”という意外なワードが返ってきた。「歩いている時の音、それがレザーシューズならではの魅力だと思います。以前つま先にスチールを入れたこともあるのですが、そうするとまた違う音がするんです。服屋で働いていた時に先輩が『フォックスアンブレラズの傘は、当たる雨の音が違って聴こえるから雨の日が楽しくなる』と言っていました。それに近いものを感じます」。音とはまた別の魅力として、車好きの小木ならではの視点も教えてくれた。「僕はスポーツカーに乗るのですが、その世界ではサスペンションを硬くしてできるだけ車高を低くし、路面の状況が分かりやすいようにするんです。それと同じで、レザーシューズは『今、大理石の上を歩いてるな』とか、ヨーロッパに行くと『石畳を歩いてるな』など、地面の感覚が直に伝わってくるところが魅力です」。
今回小木が履いているのは、自身がスタイルキュレーターとしてデザインに関わったジミー チュウのワイルダーブーツだ。「ジミー チュウが生まれたイギリスは、サヴィル・ロウやジャーミンストリートのような伝統的なファッションのエリアがある一方、最先端の音楽やストリートカルチャーも同居している面白さがあります。伝統と最先端、両方を表現できるところに惹かれました。このブーツも70年代のグラムロックの雰囲気を取り入れ、デザインしています」。ファッションの第一線で活躍している小木。その日どんなシューズを選ぶか、どんなスタイリングを組むかがすでに彼のプレゼンテーションになっている。ではなぜ今、タイムレスなレザーシューズを選ぶのか。そこには小木の現在のスタイルに対する考え方が表れている。「ここ10年ほど、貴重なスニーカーをいかに早くゲットして履くかというファッションの流れがありました。そのブームが落ち着いた今、格好よく見えるのは流行と上手く距離を取っている人だと感じます。そういう意味でもレザーシューズは今の時代に合っているのではないでしょうか。トラッドなスタイルこそ、着る人の色が出ます。王道のシルエットは保ちながら、アイテムを自分らしいワイルダーブーツに変える。そのようにスタイリングを楽しんでいます」。歩く時の音や地面の感触を味わい、自分らしい遊び心を加える。様々なファッションに触れてきた小木ならではの、レザーシューズの楽しみ方を教えてもらった。

MODEL: Wilder Boot
2011年からメンズコレクションを立ち上げたジミー チュウ。ブーツの5.5cmヒールは、レディースのヒールをずっと作ってきたジミー チュウだからこその信頼感がある。タキシードにも合わせられるフォーマルなシルエットながら、ヴィンテージの風合いやデザインで足元に変化をつけられるところも魅力の一足。
小木“Poggy”基史
ファッションキュレーター。2026年にジミー チュウメンズコレクションのスタイルキュレーターに就任。そのほかにもスタイルブックの出版や自身のブランド『ディアボロ』を展開するなど、幅広い活動を通してファッションの魅力を発信している。
| Photo Naoto Usami | Interview & Text Ayuko Hashimoto |












